老人看護専門看護師という働き方

臨機応変な対応が求められる老人看護専門看護師

専門看護師の1種が「老人看護専門看護師」です。

高齢者看護とも言われ、その名の通り高齢者の看護をする老人介護が仕事で、お年寄りが抱えている疾患やメンタル面のケアや病気の予防などに努めます。

高齢になると病気のリスクが高まり、認知症や失禁といった介護の手が必要となることがあります。
普通の生活においても運動機能の低下から転倒が起きやすかったり、徘徊によって身に危険が迫ったり、家族の負担が大きくなる傾向もあるため、高齢者社会に大きく舵を切っている現代の日本では特に重要性が増す職業です。

患者が高齢者なので、より一層の広い心と大らかさが必要になります。
認知症を患っているお年寄りの看護は、特に同じことを何度も繰り返さないと伝わらなかったり、相手も同じことを何度も聞いてくることがあります。
ナースコールが頻繁に押されるなど、ときには業務に支障が出る場合もありますが、そんなときでもイライラせずに接することが大切。
対応が雑になるような人は老人看護専門看護師には向かないと言っていいでしょう。
お年寄りを人生の先輩として尊敬することのできる看護師が求められます。

また、看護師に臨機応変な対応力が求められるのも老人看護の特徴です。
老人看護は生活全般に至るトータルケアが必要です。
普通に歩いていてもつまずいたり、日常のちょっとした動作にも注意が必要です。
どこに危険が潜んでいるかわらかないので、老人看護専門看護師はさまざまな結果を想定し、いざというときに高い対応能力を発揮しなければなりません。

患者本人だけでなく、その家族のフォローも重要になります。
ニュースでもたびたび取り上げられていますが、老老介護や介護疲れによって起こる事件は深刻です。

患者が寝たきりの場合、在宅での介護ではオムツの交換や床ずれの防止、清拭なども家族が行うことになり、ときには訪問介護の手を借りる場合も出てくるでしょう。
老人看護専門看護師も訪問看護ステーションなどに勤務した場合、こういった在宅での介護を手伝う場合も多々あります。